カワセミ
( カワセミ属の一種) 学名 : Alcedo atthis 属 : カワセミ属
カワセミ, ( カワセミ属の一種)
学名: Alcedo atthis
属: カワセミ属
Photo By Afsarnayakkan , used under CC-BY-SA-3.0 /Cropped and compressed from original
説明
カワセミは緑色を帯びた青色の頭、鮮やかなコバルトブルーの体と長くて尖った口ばしが特徴的な小鳥です。その美しさから「青い宝石」や「ヒスイ」と呼ばれることもあります。餌である魚を獲るのが上手な鳥で、水面を水平飛行する姿がよく見られます。
サイズ
17 cm
摂食習慣
食べ物の約60%は魚ですが、このカワセミはトンボの幼虫やカブトムシなどの水生昆虫や、冬には淡水エビなどの甲殻類も捕まります。しかし、中央ヨーロッパでは、魚が食事の99.9%を占めていました(1999年から2013年の河川、小川、貯水池のデータ)。一般的なカワセミもヤツメウナギを捕まえることが観察されています。
生息環境
温帯地域では、このカワセミは澄んだ、ゆっくりと流れる小川や河川、そして十分に植生の整った湖の湖に生息しています。それはそれが狩りをする浅い外水に近い張り出した枝のある低木や茂みを頻繁に見ます。冬には沿岸が多くなり、河口や港に餌をやったり、岩が多い海岸に沿ったりします。熱帯の個体群は、流れの遅い川、マングローブの小川、沼地に見られます。
食性
魚食性
よくある質問
一般的な情報
行動
海岸や川、湖、池などの水辺に生息し、公園の池など都市部にもあらわれる。古くは町中でも普通に見られた鳥だったが、高度経済成長期には、生活排水や工場排水で多くの川が汚れたために、都心や町中では見られなくなった。近年、水質改善が進んだ川では、東京都心部でも再び見られるようになってきている。 川ではヤマセミよりも下流に生息するが、一部では混在する。飛ぶときは水面近くを速く直線的に飛び、このときに「チッツー!」「チー!」と鳴き声を挙げることが多い。 採餌するときは水辺の石や枝の上から水中に飛び込んで、魚類や水生昆虫をくちばしでとらえる。エビやカエルなども捕食する。ときには空中でホバリング(滞空飛行)しながら飛び込むこともある。水中に潜るときは目からゴーグル状のもの(瞬膜)を出し水中でも的確に獲物を捕らえることが出来る。また、水中に深く潜るときはいったん高く飛び上がってから潜る個体も存在する。捕獲後は再び石や枝に戻ってえものをくわえ直し、頭から呑みこむ。大きな獲物は足場に数回叩きつけ、骨を砕いてから呑みこむ。消化出来なかったものはペリットとして口から吐き出す。瞬膜は地上にいるときでも時々見ることが出来る。 足場は特定の石や枝を使うことが多く、周囲が糞で白くなっていることが多い。排泄の際は水分の多い糞を直線状に放出する。 繁殖期にはオスがメスへ獲物をプレゼントするコアジサシと同様な「求愛給餌」がみられる。つがいになると親鳥は垂直な土手に巣穴をつくる。最初は垂直の土手に向かって突撃し、足場ができた所でくちばしと足を使って50-90 cmほどもある横穴を掘る。穴の一番奥はふくらんでおり、ここに3-4個の卵を産む。 卵からかえったヒナは親鳥から給餌をうけながら成長し、羽毛が生え揃うと巣立ちする。せまい巣穴の中は当然ヒナの糞で汚れるが、ヒナに生えてくる羽毛は鞘をかぶっており、巣立ちのときまで羽毛が汚れないようになっている。若鳥は胸の橙色と足に褐色味がある。 非繁殖期は縄張り意識が強く、1羽で行動する。水上を飛んだり、えさ場が見渡せる枝や石の上で休む姿がみられる。
分布
ヨーロッパおよびアフリカ北部からインド、東南アジアにかけて分布し、広い分布域の中でいくつかの亜種に分かれている。暖かい地方では定住するが、高緯度地方のものは冬には暖かい地域に移動する。日本では亜種カワセミ A. a. bengalensis (Gmelin, 1788) が生息し、北海道で夏鳥だが、ほかの地域では留鳥として1年中見ることができる。
ステータス
国際自然保護連合(IUCN)により、レッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けている。 日本では1960-70年代に河川の護岸がコンクリート化にされるに伴い、土壁の垂直面の巣にできる場所を失い、都市周辺で著しく減少した。1980年代に東京都で徐々に見られるようになり、90年代には都市部にも戻って来た。清流のある環境に生息することから、環境汚染のバロメータとされている。1992年度(平成4年度)から北海道旭川市で石狩川にかかる秋月橋付近に、カワセミが巣穴を掘り進むための入り口の穴をあけた護岸ブロックが設置され、効果があった。以後、カワセミ営巣ブロックが日本の各地に設けられた。都市環境に適応して、護岸の水抜きパイプの穴を巣に利用することがある。 日本では以下の都道府県により、レッドリストの指定を受けている。 絶滅危惧II類 - 東京都区部(北多摩、南多摩、西多摩は準絶滅危惧) 要保護生物(C) - 千葉県(環境省の絶滅危惧II類相当) 準絶滅危惧 - 大阪府、鳥取県、高知県、沖縄県 希少種 - 富山県、奈良県(環境省の準絶滅危惧相当) Dランク - 岩手県 地域個体群 - 埼玉県