オオミズナギドリ
( オオミズナギドリ属の一種) 学名 : Calonectris leucomelas 属 : オオミズナギドリ属
オオミズナギドリ, ( オオミズナギドリ属の一種)
学名: Calonectris leucomelas
属: オオミズナギドリ属
Photo By Don Roberson
説明
全長48cm (46-51cm)、翼開長120cm (110-122cm)。体長や翼開長はウミネコと同じぐらいであるが、飛翔時には翼がカモメ類より細長く見える。体重440-545g。ミズナギドリ科では大型種であることが和名の由来。 雌雄同色であり、上面は暗褐色の羽毛で覆われ、羽毛の外縁(羽縁)が淡色で、白い波状の斑紋が入っているように見える。大雨覆や次列風切は淡褐色で、飛翔時には不明瞭なアルファベットの「M」字状に見える。頭部は白い羽毛に不明瞭な褐色の斑紋や斑点が点在する。尾羽は黒または黒褐色。体下面は白い羽毛で覆われる。翼下面は白いが、初列下雨覆の外側(外弁)や風切羽下面は黒または黒褐色。 嘴の色彩はピンク色がかった淡青色で、先端に黒みがある。足はピンク色。
サイズ
41 - 81 cm
食性
魚食性
一般的な情報
行動
地表から飛翔することができず、斜面を使って助走したり、断崖や樹上から飛び降りたりしなければ飛び立てないとされることもあるが、岩手県の三貫島や伊豆諸島の御蔵島の繁殖地では、地面から羽ばたいて飛び立つのが観察されている。飛び立てない理由として体重の重さや、翼の長さと足の短さなどが挙げられることもあるが、他のミズナギドリ目の鳥類と比べてとくに体形が大きく違うわけでもない。 繁殖期のほかは海上で生活する。主に滑翔して、ゆっくりとした羽ばたきを交えながら、海面低くを左右に翼を傾けて飛びまわり、餌の群れを見つけると遠くからもたくさん集まる。 食性は動物食で、魚類や軟体動物などを食べる。水面を泳ぎながら水面近くにいる獲物を捕らえたり、浅く潜水して捕らえる。とくにカタクチイワシを多く利用することが報告されている。海面からは翼を広げて羽ばたきながら風上に向かい助走して飛翔する。 ほとんど海上で鳴くことはないが、夜間の営巣地では鳴き声や翼の音で騒がしくなる。鳴き声は、ピーウィーピーウィー(雄)、グワーェグワーェ(雌)など。
分布
西太平洋北部の温帯域で、ミズナギドリ科のうち唯一繁殖し、夏鳥として日本近海、黄海、台湾周辺の島嶼に分布する。 日本では、夏季に北海道(渡島大島)から八重山諸島(仲御神島)にかけての離島で繁殖し、韓国では、済州道の管轄となる泗水島に大繁殖地があり、他の島々でも少数が繁殖する。冬季になるとフィリピンやオーストラリア北部周辺へ南下し越冬するが、日本の近海に残るものもある。 南下する一部には、マレーシアよりマラッカ海峡をとおって、スリランカ周辺の海域に渡るものもある。オーストラリア北部の沿岸沖には、11-3月に多く分布し、東海岸にはウロンゴン沿岸付近まで1-3月ぐらいに見られ、同様に西海岸ではジェラルトン辺りまで夏鳥として渡来している。繁殖北限はピョートル大帝湾のカラムジン島。