オタテヤブコマドリ
( Erythropygiaの一種) 学名 : Cercotrichas galactotes 属 : Erythropygia
オタテヤブコマドリ, ( Erythropygiaの一種)
学名: Cercotrichas galactotes
属: Erythropygia
説明
全長15センチメートル (15-17cm) で、比較的長い脚と大きな円尾をもつ。雌雄の羽衣(うい、英: plumage)は同色であり、上面は濃褐色で、腰と上尾筒はより赤褐色みを帯びる。鼻孔から眼の後ろにかけて湾曲する明瞭な黄白色の眉斑と暗褐色の過眼線がある。下眼部は白みがあり耳羽は淡褐色。眼やくちばしはともに褐色であるが、くちばしの下嘴は灰色みを帯びる。下面は淡黄白色で、腮(顎)から中腹、下尾筒にかけては他の部分よりも淡色である。翼の羽毛は暗褐色で、前縁に淡黄色、後縁に淡褐色の羽縁があり、次列風切の端は白色となる。尾の中央の一対の羽毛(中央尾羽)は明るい赤褐色に細い暗色斑があり、残りの尾羽も同様の色で先端の白斑に接して広い黒帯がある。脚や趾は淡褐色。幼鳥は見かけ上は同じであるが一般に淡灰褐色である。羽毛は秋に換羽し、その前には尾羽の白斑の大きさが減少もしくは擦れてなくなることもある。
サイズ
15 cm
巣の配置
低木
食性
食虫性
一般的な情報
行動
密集した藪で飛び回ったりするが、樹上や茂みの頂部、柱上といった開けた場所でも見られる。また、よく地面をぐるぐる歩き回り、尾を立てて上下に揺らしているのが見られる。とまっているときも同じように尾を誇示し、ときに飛び立つ少し前に翼を下げる。主に地上にいる甲虫類やバッタなどの昆虫や、チョウやガの幼虫、ミミズなどを採餌するため散り落ちた葉をひっくり返して餌を探す。 さえずりは多少ツグミに似るが、多くは一連の音調にまとまりがなく、ときに明瞭でうるさいがほかの日時には柔らかであったりする。木の枝先付近や棒ないし電線上の高い位置よりさえずり、その鳴く声は物悲しい音調をもつと表現される。雄のオタテヤブコマドリは、翼を掲げての急降下を含む特異なディスプレイ・フライト(誇示飛翔)を行ない、ディスプレイの飛翔中にもよくさえずる。 巣は地面からおよそ2メートルの茂み、オプンティアの垣根、木の切り株、あるいはほかの隠れた場所に作られる。巣は通常、上手に隠されており、草、茎、根およびほかの繊維質で簡単に作られている。内側はきちんとした椀形で、細かい根、毛、それにしばしばヘビの皮が巣材に使われる。一腹3-5個の卵を生む。卵は平均約22×16 ミリメートル (0.87 in × 0.63 in) で、淡緑色または灰白色の地色に灰褐色の斑点が散在している。 ときにズアカモズ(英語版) (Lanius senator) と共同して生息し、おそらくは隣接する木に営巣する。ズアカモズが木の頂上付近にとまり、ハイタカ類(英語版)やノスリ類のほか空からの捕食者を絶えず警戒している間、オタテヤブコマドリは茂みや下方の枝にとまり、ヘビ、ネコ、イタチ、キツネ、ジェネット類(英語版)やホウセキカナヘビなどの捕食者に注意を払っている。どちらの鳥も、それら外敵に向かって飛ぶことで注意を引きつけ、そうして藪を抜けて営巣場所から離れて飛び回り、捕食者が離れるよう仕向けることに長けている。他種の鳥の警告を発する声を認識して適切な行動をとることができる。
分布
アゼルバイジャン、アフガニスタン、アラブ首長国連邦、アルジェリア、アルバニア、アルメニア、イエメン、イスラエル、イタリア、イラク、イラン、インド、ウズベキスタン、エジプト、エチオピア、エリトリア、オマーン、カザフスタン、カタール、カメルーン、キプロス、ギリシア、クウェート、ケニア、サウジアラビア、ジブチ、ジョージア、シリア、スーダン、スペイン、セネガル、セルビア、ソマリア、タジキスタン、チャド、中央アフリカ共和国、チュニジア、トルクメニスタン、トルコ、ナイジェリア、ニジェール、バーレーン、パキスタン、ブルガリア、ブルキナファソ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ポルトガル、マケドニア、マリ共和国、マルタ、南スーダン、モーリタニア、モロッコ、西サハラ、モンテネグロ、ヨルダン、リビア、レバノン 一部は渡りを行なう。その繁殖域は、ポルトガルやスペイン南部、バルカン半島から中東のイラク、カザフスタン、パキスタンにおよぶ。北アフリカや東方のインドにかけて繁殖し、アフリカでは、モロッコからエジプト、それにサハラ以南とともにはるか東のソマリアまで繁殖する。イギリス、北ヨーロッパでは極めてまれな迷鳥である。生息場所は低地ないし山麓の深い茂みのある乾燥低木地の開けた土地で、公園、葡萄園、広い庭園にも多く生息する。