
カワガラス
( カワガラス属の一種) 学名 : Cinclus pallasii 属 : カワガラス属
カワガラス, ( カワガラス属の一種)
学名: Cinclus pallasii
属: カワガラス属


説明

全長は21-23 cm、翼開長は約32 cm、体重65-90 g。ヒヨドリやツグミより少し小さい。全身が濃い茶色(チョコレート色、光の具合により赤茶色に見えることもある。)の羽毛におおわれているのが名前の由来だが、カラスの仲間ではない。尾羽は短めで黒味の強い焦茶色。目は茶色で、目を閉じると白いまぶたが目立つ。雌雄同色。くちばしは黒く、足は灰色でがっちりしている。ミソサザイを大きくしたような体形で、短めの尾羽を立てた独特の姿勢をとる。幼鳥は喉から腹にかけて白くて細かいうろこ模様がある。

サイズ
23 cm
巣の配置
崖
摂食習慣
食性は動物食。水に潜ってカゲロウ、カワゲラなどの幼虫などの水生昆虫やカニなどの甲殻類、小魚を捕食する。水面上を泳ぎながら首を水中に入れて覗き込み、頻繁に潜水する。水中では水底を這うように歩き回って川底の餌を探し、『渓流の素潜り名人』と称されることがある。水にもぐっているときは羽毛の間に空気がふくまれるため、全身が銀色にみえる。

食性
食虫性


一般的な情報

行動
平地から亜高山帯の川の上流から中流の岩石の多い沢に生息する。冬期(積雪期)には下流側に生息場所を移動することもある。一年中、単独(非繁殖期は単独で行動している)もしくは番いで行動し群れを形成することはない。つがい形成期には、一夫二妻行動をとることがある。ピッピッと鳴きながら、速い羽ばたきで川面の上を一直線に飛翔する。頑丈な脚で岩をつかみ、水流の圧力を利用して川底を歩きながら水中で捕食を行う。尾羽を上下に動かしたり、風切羽を半開きにしたり、まばたきし白いまぶたを見せながら、石や流木の上で休息する。

分布
ヒマラヤ北部からインドシナ半島北部、中国、台湾、サハリン、日本、カムチャツカ半島に分布する。生息地では、基本的には留鳥である。 日本では、北海道、本州、四国、九州、屋久島にかけて広く分布する。留鳥として、河川の上流から中流域にかけてと山地の渓流に生息する。

ステータス
国際自然保護連合(IUCN)により、レッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けている。個体数は安定傾向にある。 日本では以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている。河川開発が個体数の減少の原因であると見られている。 絶滅危惧IB類(EN)- 長崎県 絶滅危惧II類(VU) - 東京都西多摩地区、愛知県 準絶滅危惧(NT) - 大阪府、山口県 希少種 - 奈良県 その他 減少種 - 神奈川県 希少種 - 滋賀県 留意 - 岡山県
