ウズラ
( Coturnixの一種) 学名 : Coturnix japonica 属 : Coturnix
ウズラ, ( Coturnixの一種)
学名: Coturnix japonica
属: Coturnix
説明
キジ科では最小で家禽としても最小といわれている。メスよりもオスの方が重い。全長20センチメートル。翼長9.1-10.4センチメートル。上面の羽衣は淡褐色。 雌雄鑑別は孵化直後は素人には困難であるが生後30日齢になれば羽装の違いで判別可能となる。オスは咽頭頭部と胸部が赤褐色、メスは淡赤褐色に黒の斑点がある。また、メスには口から耳にかけて白い線があり喉も白い。 繁殖期のオスは顔や喉、体側面の羽衣が赤褐色。希に全体が白色羽毛で散在的に野性型羽毛をもつ個体が生じるが、劣性遺伝により発現するとされている。 解剖学的にはニワトリの体の構造とおおまかには変わりない。
サイズ
13 - 23 cm
食性
雑食性
一般的な情報
行動
低地にある草原・農耕地などに生息する。秋季から冬季にかけて5 - 50羽の小規模から中規模の群れを形成することもある。和名は「蹲る(うずくまる)」「埋る(うずる)」のウズに接尾語「ら」を付け加えたものとする説がある。 種子、昆虫などを食べる。 繁殖様式は卵生。配偶様式は一夫一妻だが、一夫多妻の例もある。繁殖期は5 - 9月。植物の根元や地面の窪みに枯れ草を敷いた巣を作る。7 - 12個の卵を産むが、18個の卵を産んだ例もある。抱卵期間は16 - 21日で、メスのみが抱卵する。雛は孵化してから20日で飛翔できるようになり、1 - 2か月で独立する。生後1年以内に成熟する。 孵化後6週令で産卵を開始する。産卵は午後の特に午後4時から午後6時にかけての時間帯に多い。卵の重量は雌体重の約8%で10g前後である。卵には通常大小の黒い斑点があり、全体に茶色のものや卵殻が柔らかいものは病気、老齢、栄養不良などの原因による。 ウズラの卵殼表面には褐色のまだら模様があるが、これは卵を外敵から守るカモフラージュの効果がある。模様は卵を作る器官に由来し、個体差があるものの個体ごとに決まった模様がつくことから、1羽のメスが産む卵は同じ様な模様をしている。この模様の元となる色素は産卵開始時刻の約3時間前から分泌が始まり、子宮壁の伸縮、卵の回転に伴い卵殼表面に拡がり斑紋を形成するとする研究がある。稀に模様のない白い卵を産むこともある。 寿命は野生種で3~4年(推定)。上野動物園では6年の飼育例がある。産業用・実験用のウズラの寿命は1.2~1.5年である。 雌の平均寿命は2年に満たない586日から694日、最高寿命1690日。 産卵率 280日齢で80-90% 生涯産卵数 342 - 384個 適温範囲は15~24℃で暑さには比較的強いが寒さへの抵抗力は低い。寒さが続くと換羽するが健康上・外観上よくないとされている。
分布
インド北東部、タイ王国、大韓民国、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、日本、ブータン、ベトナム、ミャンマー、モンゴル国、ラオス、ロシア東部に分布する。 ウズラ類はキジ科では唯一真の渡りを行う。本種の場合、日本(主に本州中部以北)、モンゴル、朝鮮半島、シベリア南部、中華人民共和国北東部などで繁殖し、冬季になると日本(本州中部以南)、中華人民共和国南部、東南アジアなどへ南下し越冬する。日本国内の標識調査の例では、北海道・青森県で繁殖した個体は主に関東地方・東海地方・紀伊半島・四国などの太平洋岸で越冬し、九州で越冬する個体は主に朝鮮半島で繁殖した個体とされる(朝鮮半島で繁殖して四国・山陽地方・東海地方へ飛来する個体もいる)。