ヨーロッパコマドリ
( ヨーロッパコマドリ属の一種) 学名 : Erithacus rubecula 属 : ヨーロッパコマドリ属
ヨーロッパコマドリ, ( ヨーロッパコマドリ属の一種)
学名: Erithacus rubecula
属: ヨーロッパコマドリ属
説明
ヨーロッパコマドリは森林や荒れ地に生息します。ミミズなどの餌を見つけると、止まり木から降りてきて捕まえ、止まり木に持って帰る習性があります。ヨーロッパの人々にはとても馴染み深い鳥であり、民謡の歌詞や切手のデザインになっています。非公式ですが、イギリスでは国鳥と見なされています。
サイズ
13 - 14 cm
生息環境
ヨーロッパのロビンは、北ヨーロッパではトウヒの木を好み、アイルランドやイギリスでは公園や庭園を好んでいます。イベリア南部では、居住ロビンと移住ロビンの生息地分離が発生し、居住ロビンは彼らが育った同じ森林地帯に残っています。
食性
食虫性
よくある質問
一般的な情報
行動
ヨーロッパコマドリは、繁殖期にはよくさえずり、日中から夕方までさえずる。時には夜もさえずる個体があり、サヨナキドリ(ナイチンゲール)と間違えられることもある。オスの成鳥だけでなく、メスや幼鳥もさえずる。さえずりは「チュリー、チュルチュル、ホイピーホイピーチュリー、チュリリリ、チュリチュリ」などと、長い節と短い節を不規則に組み合わせており、標準的なさえずりというものは存在しない。 イギリスでは、繁殖期である12月末頃から6月中旬までのほか、7月末からは幼鳥が、それより2週間ほど遅れて成鳥が再びさえずり始める。この夏から秋のさえずりは、初冬には鳴く頻度が低くなる。また、2つの期間の間となる6月中旬から7月中旬にかけてはさえずらない。地鳴きは「チィー」「チリリ……」のような高い声である。 イギリスにおいては12月中旬~2月中旬にかけて番(つがい)を形成、3月下旬から巣作りを始め、4月末~5月の初めには産卵を終える。ヨーロッパコマドリの巣はお椀状で、外側に小枝や枯葉、内側に細い根や草など用いて、地面のくぼみや、苔・根のすき間、地面近くの幹の樹洞のほか、捨てられたやかんや植木鉢などの人工物なども作られる。卵は白色無地を基本とするが薄い赤褐色のまだら模様や小斑があるものが多く、産卵数は通常5~6個。抱卵期間は13~15日ほどで、メスのみが行う。幼鳥は2~3週間で巣立つが、その時点ではまだ胸に赤い模様はなく、2~3ヶ月経ってようやく若干赤みがかった羽が生えてくる。そして更に2~3ヶ月かかって成鳥の姿となる。また、6月に2回目の産卵を行うこともある。 イギリスでは人家近くの林に生息し、警戒心が弱く人を恐れずに近付いてくるため、ヨーロッパコマドリは人々に愛されている。土を掘っている人間がいると、掘り起こされたミミズなどの餌を探すために好んで近付いてきたり、人間が一休みしているときに、地面に立てられたシャベルの取っ手に止まり周囲を見張っていたりする。一方、大陸ヨーロッパのヨーロッパコマドリは森の中に住み注意深いとされる。また、地面に掘り返された餌を探すため、イノシシなどの大型の野生動物にも近付く。また、ミミズなどの他にもニワトコなどの果実も食し、餌台にも訪れる。 冬の間はオスとメスが別々の縄張りを持つ。また、オス・メスともに、目立つ場所で鳴くなどなわばりを誇示する行動をとり、外敵が来ると赤い胸を反らして威嚇する。特にオスは、縄張りに他のオスが迷い込むと冷酷なまでに、時には相手が死ぬまで攻撃を続ける。他種の鳥にさえ、特に理由もなく攻撃するといった行動も観察されている。 生後1年間の死亡率が高い(卵のうち巣立つのが55%、そのうち年内に死亡するのが77%)ため、ヨーロッパコマドリの平均寿命はわずか1.1年である。しかし、その1年を生き長らえることができれば寿命は比較的長く、これまでの長寿記録は12年である。ただし、野生下で3年以上生きるものは稀である。
分布
ヨーロッパ全域のほかシベリア西部(東限はオビ川)、カフカース、アルジェリア、大西洋上のアゾレス諸島、マデイラ諸島まで広く分布する。詳細は後述の亜種の節を参照。 ほとんどは留鳥として分布するが、スカンディナヴィアなど寒冷地のヨーロッパコマドリは、きびしい冬から逃れるためフランスやイベリア半島、北アフリカへと渡りを行う。移動は主に夜間に行われる。その年の天候によっては、ベルギー、オランダ、イギリスなどで秋に一斉に移動するヨーロッパコマドリの群れが見られ壮観である。春の渡りは北海沿岸を経由し、4月前半に集中する。なお、鳥の渡りが知られていなかった古代ギリシャのアリストテレスは、ヨーロッパコマドリをシロビタイジョウビタキの冬の姿だと考えていたようである。 グレートブリテン島のヨーロッパコマドリ、特にオスの成鳥は基本的に留鳥でイギリス国内での移動にとどまるが、少数(主にメス)は冬の間を南ヨーロッパで過ごし、さらにその一部はスペインへまで渡りを行う。