ナベヅル
( Grusの一種) 学名 : Grus monacha 属 : Grus
ナベヅル, ( Grusの一種)
学名: Grus monacha
属: Grus
Photo By Francesco Veronesi , used under CC-BY-SA-2.0 /Cropped and compressed from original
説明
全長約91-100センチメートル、翼開長160-180センチメートル。翼長48-58cm、嘴峰長9.3-10.7cm、跗蹠長20-23cm。体重雄3.28-4.87kg、雌3.4-3.74kg。雌雄同色。成鳥は頭頂から眼先にかけて黒く細い毛状の羽毛に覆われ、頭頂の羽毛がなく裸出した部分は赤色である。頭部から頸部にかけての羽衣は白い。種小名 monacha はラテン語で「修道士の」の意で、頭部から頸部にかけての羽衣が修道士がかぶっていたフードのように見えることに由来する。体部の羽衣は灰黒色。和名は胴体の羽衣の色が鍋についた煤のように見えることに由来する。三列風切が長く房状であり、静止時には尾羽が三列風切で覆われる。風切羽は黒い。雨覆は灰黒色で、雨覆より風切羽のほうが暗色であるが、飛翔時においてその差は不明瞭である。 虹彩は赤または赤褐色。くちばしは黄色みがあり、基部は灰褐色で、先端は淡黄褐色。足は黒か黒褐色または緑黄色。 幼鳥や若鳥は、頭頂に黒色や赤色の斑はなく、頭部から頸部が黄褐色みを帯びており、眼の周りは黒色で、体は成鳥より黒い。
サイズ
1 m
巣の配置
地面
食性
雑食性
一般的な情報
行動
沼地、湿原、河口、干潟、農耕地などに生息する。 食性は雑食で、植物の根、昆虫、両生類などを食べる。越冬地では、水田の刈跡でイネの二番穂を採食するほか、出水ツル渡来地においては小麦やイワシなども給餌される。 越冬地では、雌雄2羽もしくは家族群として3-4羽(うち幼鳥1-2羽)でおり、雌雄が跳ね上がったり、くちばしを上にして鳴き交わしたりする行動が見られたりもする。ときに数十羽を越える群れにもなる。 鳴き声は「クールルン」や「クルルー」で、幼鳥は「ピィー」と鳴く。ディスプレイ時には雌雄が「コーワッカ」または「クーカッカッ」と鳴き交わす。しかし繁殖地においてはあまり鳴かないとされる。 シベリア南東部のレナ川上流域やバイカル湖付近、ウスリー川、アムール川(黒竜江)流域、モンゴル北西部、中国の東北部など、タイガ地域で繁殖する。森林地帯内の湿原に雌雄で巣を作り、5月に2個の卵を産む。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は27-30日。雄は生後4-5年、雌は生後2-3年で性成熟する。 1970年頃より、ナベヅルとクロヅルのつがいが1-2羽の幼鳥とともに出水ツル渡来地に飛来し、その後も通称ナベクロヅルと呼ばれる交雑種が渡来しており、繁殖地域もシベリアの一部でクロヅルと重なっている。
分布
中華人民共和国東北部、ロシア東南部、モンゴル北西部などで繁殖し、冬季になると日本、朝鮮半島南部、長江下流域へ南下し越冬する。世界の生息数はおよそ1万羽と推定されており、全体の90%近くが鹿児島県出水市で冬を越す。
ステータス
脆弱です。ワシントン州I.繁殖範囲はロシアのシベリア南中部と南東部に広がっています。最近(1990年代初頭)、繁殖を発見しました...続きを読む
Photo By Francesco Veronesi , used under CC-BY-SA-2.0 /Cropped and compressed from original