セイタカシギ
( セイタカシギ属の一種) 学名 : Himantopus himantopus 属 : セイタカシギ属
セイタカシギ, ( セイタカシギ属の一種)
学名: Himantopus himantopus
属: セイタカシギ属
説明
セイタカシギは河川、湖沼、水田などの水辺に生息し、長いピンク色の足が特徴です。水辺を優雅に歩き回り、細長いクチバシを使って水中から昆虫、魚、オタマジャクシなどを捕食します。国内では1960年代までは珍しい渡り鳥でしたが、近年は周年生息し、繁殖例も報告されています。
サイズ
30 - 36 cm
巣の配置
地面
食性
水生無脊椎動物捕食性
よくある質問
一般的な情報
行動
湿地、干潟、湖沼、河口、水田などに生息する。繁殖期は番いで生活し、縄張りを持つ。非繁殖期は小さな群れで生活し、番いを中心とした家族が集まって群れを形成する可能性がある。 食性は動物食。長い脚で水辺を歩き回り、嘴を水中に斜めに差し込み、昆虫、エビやカニなどの甲殻類、小魚、ゴカイなどを捕食する。脚が長いぶん、干潟などの浅瀬で競合するサギや他のシギ・チドリ類よりも深い場所にまで足を延ばすことができる。採食中に首に振りながら歩く。海水域で捕食した後には、淡水域で水浴びを行う。 日本での繁殖時期は4-6月で、水際の見通しのよい場所に枯れ草などを重ねて営巣し4卵を産む(地表にそのまま産むこともある)。抱卵は雌雄共同で行い、抱卵日数は26-27日。営巣地が気象の影響(水害など)をうけやすく、また外敵からの捕食も多いことから卵の孵化率は2割弱といわれている。 雛は早成性で、雛は孵化後すぐに巣の外に出て、自力で餌を探す。親鳥は雛を外敵から保護するが、給餌や餌のとり方の教授は行わない。雌の半分ほどは、育雛の途中で、雄と雛を残し繁殖地を離れてしまうが、その場合は残された雄が雛の世話を続ける。雛は孵化後26日程で飛べるようになる。
分布
ヨーロッパ、アフリカ、アジア南部を中心に広く分布する。 日本では旅鳥または留鳥。かつて迷鳥としてまれに記録される程度であった。1975年に愛知県の干拓地で初めて日本国内での繁殖が確認された。埋立地が増えた1978年以降に、東京湾、伊勢湾、三河湾周辺でも繁殖が確認され留鳥として定住するようになった。現在は各地で生息が確認されており、東京湾付近の千葉県習志野市の谷津干潟などでは周年観察されている。2007年に葛西臨海公園野鳥園で3例の繁殖が確認されている。2009年6月に沖永良部島で1例の繁殖が確認されている。
ステータス
国際自然保護連合(IUCN)により、2004年からレッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けている。総個体数は450,000-780,000と推定されていて、個体数は増加傾向にある。日中渡り鳥保護協定指定種。 日本では環境省によりレッドリストの絶滅危惧II類(VU)の指定を受けている。 絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト) また以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている。奈良県などで定着が確認されている外来種のクロエリセイタカシギとの交雑が危惧されている。 絶滅危惧IA類(CR)- 長崎県 最重要保護生物(A) - 千葉県 絶滅危惧I類(CRまたはEN) - 福井県、香川県 絶滅危惧IB類(EN)- 東京都、山口県、愛媛県、大分県 絶滅危惧II類(VU) - 愛知県、徳島県、鹿児島県、沖縄県 重要希少野生生物(Bランク) - 青森県 Bランク - 兵庫県 準絶滅危惧(NT) - 新潟県、静岡県、京都府、島根県、岡山県、高知県、宮崎県 希少種 - 北海道、茨城県 情報不足(DD) - 岩手県、三重県 その他 希少(D) - 福島県 希少種 - 滋賀県