クサムラツカツクリ
( Leipoaの一種) 学名 : Leipoa ocellata 属 : Leipoa
クサムラツカツクリ, ( Leipoaの一種)
学名: Leipoa ocellata
属: Leipoa
Photo By Don Roberson
説明
全長55 - 61センチメートル。尾羽は長く、数は16枚。尾羽基部上面を被う羽毛(上尾筒)は長く、尾羽全体を被う。背や翼には褐色や赤褐色・黒などの不規則な斑紋が入る。頭部から頸部・下面は鉛灰色。喉は赤褐色。 耳孔は大型。嘴は小型で、色彩は鉛黒色。後肢は頑丈で、人間でいう足の甲(ふ蹠)には多角形の鱗が2列に並ぶ。趾爪は小型。後肢の色彩は暗灰色。 卵は長径9.1センチメートル、短径6.1センチメートル。重量200グラム。卵の殻は淡いピンク色。
サイズ
60 cm
巣の配置
地面
食性
雑食性
一般的な情報
行動
Eucalyptus dumosa(アボリジニの言葉でmallee)からなる低木林に生息する。英名はこのユーカリ属の構成種に由来する。採食時に20羽に達する集団を形成することもあるが、通常は群れを形成せず単独で生活する。オスは縄張りを形成し、侵入者に対しては体羽を膨らませ鳴き声をあげて威嚇する。オスは塚から137メートル以内を縄張りとするが、行動圏は274メートル以内まで達する。 繁殖様式は卵生。ペアは一生解消されない。後述する塚の上やその周辺で交尾を行う。秋季から冬季(4 - 5月)に主にオスが古い塚やアナウサギの巣穴・蟻塚などを掘って、直径3メートル・深さ0.9 - 1.2メートルの穴を掘る。まずその穴の周囲に落ち葉や木の枝・樹皮などを後ろ蹴りにして積み重ね(下図の作成経過の黄色)、次いで穴の中にもこれらの巣材を積み上げる(下図の作成経過の緑色)。8月の降雨後に、オスは作った塚に幅30センチメートル・深さ30 - 60センチメートルの産卵用の穴を掘る(下図の作成経過の赤色)。メスは3 - 4か月にわたり、16 - 33個の卵を産む。オスは、メスが降雨前や降雨時に卵を産みに来た場合は追い払う。オスは卵を落ち葉や砂などで埋め、埋めた有機物の発酵熱や太陽熱によって卵を孵化させる。オスは塚を掘り起こして発酵熱(太陽熱が弱い春季)や太陽熱(夏季)を逃がす・砂を厚くして太陽熱を遮る(発酵熱が弱まり太陽熱が強い夏季)・太陽熱で温まった砂をかける(発酵熱も太陽熱も弱まる秋季)などして、産卵用の穴の中の温度を一定(32.2 - 35℃)にする。嘴を塚に差し入れ、口内で温度を測っていると考えられている。卵は約50日で孵化する。高温時や砂が硬いと、雛の死亡率が高くなる。雛は地表に現れてから1時間で走行できるようになり、24時間で飛翔できるようになる。
分布
オーストラリア(西オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州)。ノーザンテリトリーでは絶滅したと考えられている。