ヒドリガモ
( Anasの一種) 学名 : Mareca penelope 属 : Anas
ヒドリガモ, ( Anasの一種)
学名: Mareca penelope
属: Anas
説明
ヒドリガモは冬鳥として渡来し、河川、湖沼、沿岸部などの水辺で越冬します。植物質の餌を好み、水草や藻だけでなく陸に上がって草地で新葉などを食べることもあります。オスの赤褐色の頭部が赤っぽいことから「緋鳥(ひどり)」と呼ばれ、それが転じて現在の名前で呼ばれるようになったと言われています。
サイズ
51 cm
巣の配置
地面
一回に産む卵の数
6 - 12 卵
食性
草食性
一般的な情報
行動
越冬時は、湖沼、池、河川、河口、海岸、干潟などに生息する。数百羽の群れになることもある。繁殖期はツンドラ地帯や針葉樹林にある湿地などに生息する。 食性は植物食であるが、水生昆虫や軟体動物を食べることもある。潜水して捕食はせず、水面に浮かぶ植物の葉、茎、根、種子等を採食する。また、岸や中洲に上がって陸上の植物も食べる。海草、海藻も好んで食べるので、他の淡水型カモ類と比べると、海岸付近で観察されることも多い。昼間は群れで湖沼の中央や陸地に上がって休息し、夕方から明け方にかけて水田や河川などの餌場に向かい採餌することが多い。海岸近くで生活する個体は、夜海上で海苔などの海藻類を採食する。 繁殖形態は卵生。水辺の草地などに営巣し、1腹7-11個の卵を産む。抱卵日数は23-25日である。 オスは口笛のような「ピュー、ピュー」という特徴ある甲高い声でよく鳴き( オスの鳴き声)、メスは他のカモ同様低い声で「ガァー、ガァー」と鳴く。
分布
ユーラシア大陸の北部の寒帯地域やアイスランドで繁殖し、冬季はヨーロッパ、アフリカ北部、インド北部、中国南部、朝鮮半島、日本などに渡り越冬する。 日本では冬鳥として全国に渡来する。北海道では厳冬期には少なく、春と秋によく見られる。
ステータス
個体数は減少傾向にあり、国際自然保護連合(IUCN)により2012年からレッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けている。 日本では全国の多数の調査地点で個体数の調査が実施されている。飛来し越冬する個体数は1996年から2009年までの間でほぼ安定傾向にあり、17都道府県で減少傾向、11県で増加傾向であった。環境省や都道府県によりレッドリストの指定を受けていない。 1979年に多摩動物公園が日本国内での初めての人工繁殖に成功し、また1998年旭山動物園が日本国内での初めて繁殖に成功し、それぞれ繁殖賞を受賞した。