カワウ
( ウ属の一種) 学名 : Phalacrocorax carbo 属 : ウ属
カワウ, ( ウ属の一種)
学名: Phalacrocorax carbo
属: ウ属
説明
カワウは河川、河口付近、湖沼などに生息する水鳥です。鵜飼いで使われる「ウミウ」と酷似していますが、クチバシの基部で見分けることができます。国内では1970年代に絶滅が危惧されていましたが、1980年代以降に個体数が回復しました。それに伴って、漁業への被害や営巣地付近の糞害などが問題になっています。
サイズ
84 - 90 cm
巣の配置
崖
一回に産む卵の数
1 - 7 卵
摂食習慣
餌となるのはほとんど魚類で、潜水して捕食する。捕獲する際には時に1分以上、水深10m近くまで潜水することもある。1羽で1日500gの魚を食べるとされ、魚種の選択性はない。近縁種のウミウも同様に巧みな捕食者で、鵜飼いにも利用されるのはよく知られている。大正より前にはウミウと混同されていた。山梨県での調査報告によれば、多い順にアユ、オイカワ、ウグイであった。 ウ類の翼羽は油分が少なくあまり水をはじかないため、長時間、同じ姿勢を保ち濡れた翼を広げ小刻みに震わせ翼を乾かす習性を持つ。
食性
魚食性
よくある質問
一般的な情報
行動
主に河川部や湖沼などに生息し、近年は個体数が増加した影響からか海上でも見られる。本種の主なエサであるコイなどが、人の手による無計画な放流により上流域にも生息するようになったので、本種もまた山間部など上流域に進出している。 カワウは群れで溜まる場所をいくつか持っており、そこで休息と睡眠をとる。夜明けには採餌のために隊列を成して餌場に向かい、夕方になると再び群れでねぐらに戻る。群れでの飛翔時には、V字形に編隊を組んで高く飛ぶことが多い。1日の移動距離は10-20kmとされる。 このねぐらの内からコロニーを水辺に形成し、繁殖を行う。この群れは数十羽から数千羽にまで及ぶこともある。季節を問わず冬でも繁殖できるが、営巣活動は春先と秋に特に活発である。一夫一妻で、枯れ枝などを利用して樹上や鉄塔などに皿形の巣を作る。淡青色で無斑の卵を通常3-4個(1-6個)産み、雌雄交代で抱卵する。卵の大きさは長径5.7-6.7cm、短径3.7-4.18cm。卵は約1か月(抱卵期間24-28日)で孵化し、雌雄で育雛する。雛は通常およそ30-45日で巣立つ。 鳴き声は、「グルルルル」「グワワワ」「ゲレレレ」など、コロニーにおいて、喉を震わせて何度も鳴き、時に「グワッグワッ」「グワー」という短い声や伸ばす声も発する。雛は高い声で「ピューユイ、ピューユイ、ピー」と鳴いて親鳥に給餌を求める。営巣地以外ではあまり鳴かず、飛翔時に鳴き声を聞くこともほとんどない。
分布
日本においては、1920年代以前には本州、四国、九州に広く生息していたが、1970年代には3000羽以下まで減少し、1971年(昭和46年)の繁殖地は、愛知県鵜の山、東京都不忍池、大分県沖黒島の3か所のみとなった。1980年代初頭の繁殖地は下北半島(青森県)、上野公園の不忍池(東京都)、知多半島(愛知県)、南伊勢町五ヶ所浦(三重県)、沖黒島(大分県)などであった。その後、1980年代には2万-2万5000羽、2000年(平成12年)末には5万-6万羽までに増加した。公害規制による河川水質の向上で餌となる魚が増え、1990年代以降、その数は飛躍的に増加した。現在15万羽以上に増えたと推測される。
ステータス
国際自然保護連合 (IUCN) により、レッドリストの軽度懸念 (LC) の指定を受けている。