ヒゲペンギン
( ジェンツーペンギン属の一種) 学名 : Pygoscelis antarcticus 属 : ジェンツーペンギン属
ヒゲペンギン, ( ジェンツーペンギン属の一種)
学名: Pygoscelis antarcticus
属: ジェンツーペンギン属
Photo By Ivancillo18 , used under CC-BY-SA-3.0 /Cropped and compressed from original
説明
体長は70cm-75cm、体重4kg-7kgほど。羽毛は腹側が白く、背中側が黒い。足はピンク色をしている。 顔は白いが目は黒く、さらに目の後ろから喉を通る黒い帯模様があるのが特徴である。和名の「ヒゲペンギン」は喉を通る帯模様をあごひげに見立てたものである。また、英名の"Chinstrap"は帽子やヘルメットのあごひものことで、これもやはり喉を通る帯模様に由来している。なお、学名の種小名" antarctica "は南極を意味する。現在日本において南極のペンギンといえばコウテイペンギンかアデリーペンギンであるが、第二次世界大戦前に日本で南極のペンギンといえばヒゲペンギンを指していた。このため、「ナンキョクペンギン」の和名で紹介している書籍も、当時は存在した。
サイズ
77 cm
巣の配置
地面
食性
魚食性
よくある質問
一般的な情報
行動
アデリーペンギンやジェンツーペンギンと同じく、夏に繁殖を始める。雪が溶けた岩場に小石を円形に積み上げて巣を作るのも同じだが、他のペンギンが避けるような斜面にも巣を作る。また、性格が攻撃的で、繁殖地が重なる他の種類のペンギンを押しのけることもある。 卵は1個-3個だが、たいていの場合2個産卵する。他のペンギンはまずオスが抱卵するが、ヒゲペンギンの場合はメスが最初に抱卵する。5日から10日おきにオスとメスが交代しながら抱卵し、産卵から約35日後に灰色の綿毛におおわれたヒナが孵化する。 ヒナは約1ヶ月ほど巣にとどまり親鳥から給餌を受ける。大きくなったヒナはヒナ同士の集団「クレイシュ」に集まり、2ヶ月ほど親鳥から給餌を受けながら集団生活をする。充分に成長したヒナは成鳥の羽毛に換羽して海へ旅立つ。
分布
南極大陸の周辺海域に分布するが、特に南アメリカ南端部から南極半島の周辺に多い。ペンギンの中では最も個体数が多く、繁殖するつがいが約750万組と見積もられている。非繁殖期は外洋で生活し、オキアミや小魚などを捕食する。 おもな繁殖地は南極周辺の島嶼である。 南大西洋ではイギリス領サウス・サンドウィッチ諸島、サウス・オークニー諸島、サウス・シェトランド諸島、サウス・ジョージア島、ノルウェー領ブーベ島。 南太平洋ではバレニー諸島、ピョートル1世島 等である。この他、南極半島などにも繁殖地がある。
ステータス
チンストラップペンギンの全世界の人口は、少なくとも800万人と推定されています。全体的に減少していると考えられていますが、その人口はそれほど断片化されておらず、多くのサイトで増加または安定しています。ヒゲペンギンは主に気候変動の脅威にさらされています。その範囲のいくつかの部分では、気候変動によってオキアミの量が減少し、繁殖の成功が低下する可能性があります。たとえば、エレファント島の繁殖地への2019年の遠征では、50年弱で人口が50%減少しました。他の潜在的な脅威には、火山による出来事や人間によるオキアミの釣りなどがあります。この種に対していくつかの保全活動が行われています。それが住んでいる複数のエリアが長期間監視されています。将来に向けて提案された保全行動には、その個体数、範囲、行動の監視と調査の強化が含まれます。 2004年から2012年までの同じステータスの5つの以前の評価と1988年から2000年までの「不明」としての3つの評価の後、その範囲と人口が大きいため、2016年の時点でIUCNレッドリストで最も懸念の少ない種としてリストされています。
Photo By Ivancillo18 , used under CC-BY-SA-3.0 /Cropped and compressed from original