ケリ
( タゲリ属の一種) 学名 : Vanellus cinereus 属 : タゲリ属
ケリ, ( タゲリ属の一種)
学名: Vanellus cinereus
属: タゲリ属
Photo By Dibyendu Ash , used under CC-BY-SA-3.0 /Cropped and compressed from original
説明
全長約34 cm。雌雄同色。くちばしは短く、黄色で先端が黒い。足は長くて黄色。目は赤橙色で黄色のアイリングがある。また、嘴の付け根には黄色い肉垂がある。雌雄同色。 翼の小翼羽付近には爪があり、爪の大きさや色から雌雄の見当をつけることができる。成鳥の夏羽は頭部から胸上部が灰青色で、体上面は灰褐色で、体下面は白い。胸上部と体下面の境目には黒い胸帯がある。翼は先の方が黒く、基半部は白色と灰褐色で、飛ぶときこれらのコントラストが目立つ。尾は白色で黒い帯が入る。冬羽は頭部からの灰青色がやや褐色を帯びている。雛は淡褐色の綿羽に覆われている。若鳥は頭部からの胸部にかけて灰色でやや褐色を帯びる。胸帯は薄い。また目は褐色で、アイリング・肉垂とも小さく目立たない。
サイズ
37 cm
色
茶
黒
グレー
白
巣の配置
地面
食性
食虫性
一般的な情報
行動
水田、畑、河原、干潟、草原などに生息する。 食性は主に動物食で、昆虫類、ミミズ、カエルなどを捕食する。稀に穀類も食べる。 繁殖期は3月から7月。抱卵は3月初旬から中旬に始まり、抱卵・ヒナ養育それぞれ約1ヶ月ほどかかる。クラッチサイズは4卵で、時には3卵、稀に1卵-5卵が確認される。巣は水田内や畦などの地面に藁を敷き作る。よって農作業による影響が著しく大きい。繁殖期中は時にテリトリーを変えるなどして最大3回営巣を試みる。非常に警戒心が強く、テリトリーにトビやカラス、人間などの外敵が近付くと、鳴きながら激しく威嚇し、追い払う。その為、夜でも鳴き声が聞こえてくる場合がある。 非繁殖期には小群で行動する。 甲高い声で鳴き、「キリッ、キリッ」、「ケリッ」、「ケケッ」というふうに聞こえる。この鳴き声からケリという名がついたといわれる。
分布
モンゴル、中国北東部、日本で繁殖する。冬には東南アジア、中国南部などに渡るものもいる。日本においては留鳥として、かつては主に東北地方に分布していたが、近年は分布が拡大し、現在では中部地方、関西地方を中心とした近畿以北の本州に分布する。最近になって中国・四国地方・北部九州など西日本でも繁殖が確認され始めた。
ステータス
国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている。 日本の以下の都道府県で、以下のレッドリストの指定を受けている。2007年8月現在、環境省のレッドリストの指定はない。 絶滅寸前または絶滅危惧種(絶滅危惧I類、CRまたはEN) - 福島県、埼玉県、千葉県、高知県 危急種(VU) - 青森県 準絶滅危惧(NT) - 岩手県、山形県、茨城県、栃木県、神奈川県、富山県、山口県、佐賀県、熊本県 注目種 - 宮城県、群馬県、大阪府
Photo By Dibyendu Ash , used under CC-BY-SA-3.0 /Cropped and compressed from original